中野・Food

さば銀 〜中野編〜

Hiro.SAO

鯖(サバ)という一途な愛。中野の食通が夜な夜な集う「さば銀」の引力

中野駅のホームに降り立つと、電車の中からでもその存在に気づく者もいるという。線路沿いに、潔く、そして誇らしげに灯る「さば銀」の看板。ここは、日本の食卓に馴染み深い「鯖」という魚が、いかに奥深く、そして魅力的であるかを教えてくれる、大人のための秘密基地だ。

木の温もりを感じる、こぢんまりとしながらも活気に満ちた店内。肩肘張らないその空気感は、仕事帰りにふらりと立ち寄りたくなる心地よさを生み出している。オープンキッチンから漂う香ばしい匂いと、店主やスタッフとの気さくな会話が、今宵の宴への期待を自ずと高めてくれる。

鮮烈なる青魚の誘惑。鯖のポテンシャルに酔いしれる

この店を訪れたなら、まずは「サバ尽くし」をオーダーするのが賢明だ。九州から直送されるという脂が乗った鯖を、生、炙り、〆、そして博多名物のゴマサバと、多彩な表情で楽しませてくれる。エッジの立った刺身は、口に含んだ瞬間に上質な脂がとろけ、その鮮度の高さを雄弁に物語る。軽く皮目を炙った一切れは、香ばしさが加わり、日本酒を呼ばずにはいられない。

そう、ここ「さば銀」は、日本酒好きにとっても楽園のような場所。鯖との相性を知り尽くした店主が選ぶ一杯は、鯖の旨みを最大限に引き出し、そのマリアージュは口福そのもの。キリリとした辛口から、米の旨みが広がる芳醇なものまで、その日の気分と鯖の味わいに合わせて、最高のペアリングを見つける愉しみがある。

常識を覆す、一筋縄ではいかない鯖料理

刺身や焼き物だけが、ここの鯖の魅力ではない。「さば銀」の真髄は、その創造性豊かな一品料理にある。中でも、訪れる者のほとんどが注文するという「〆サバサンド」は、まさにこの店のシグネチャー。香ばしくトーストされたパンに、絶妙な塩梅の〆サバとバター、そしてほんの少しの山葵。意外とも思える組み合わせが、甘み、塩味、そして鯖の凝縮された旨味の完璧なハーモニーを奏で、一度食べれば誰もがその虜になる。

ほかにも、鯖の塩辛を使ったジャーマンポテトや、鯖の身がたっぷりと入ったパラパラの「さばチャーハン」など、メニューを眺めているだけで、鯖という魚の持つ無限の可能性に驚かされる。

定番のようでいて、どこまでも奥深い。一途なまでに鯖を愛し、その魅力を知り尽くした職人たちがいるからこそ生まれる、唯一無二の味わいがここにある。中野の夜、本気で魚と酒を愛でたいなら、「さば銀」の暖簾の先に広がる、青魚のワンダーランドへ。そこにはきっと、忘れられない食体験が待っている。


店舗情報 | Store Information

📮住所
 東京都中野区中野5丁目32-9 ハウスポート中野102号
🚃アクセス
 JR中野駅から徒歩2分
☎️予約
  03-5942-9960
🕰️営業時間
 月~金 祝前日: 16:00~翌0:00 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 23:00)
 土日祝日: 13:00~翌0:00 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 23:00)
 定休日 無
🪑座席数・お席の種類
 26席
💳クレジットカード利用
 可(VISA、Maste、銀聯)
 電子マネー系不可(PayPayのみ可)
📶Wi-Fi
 あり
🚬禁煙・喫煙
 店内禁煙、テラス席喫煙可

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